手間暇が味をつくる
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本格的な調理を始める準備としてフライパン表面に保護膜を作る「シーズニング」を行います。
少量の油を薄く塗り広げ、黒くなるまで加熱し、火を止めて冷まします。この工程を3回程度、フライパン全体が黒光りして艶を帯びるまで行います。
シーズニングすることで食材が焦げ付きにくくなり、防錆の効果が持続します。さらに調理を繰り返すことで定着していきます。食材の油をまとい、自分色に育つ過程が楽しめます。
フライパンのシーズニング方法
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用意するもの
- 柔らかいスポンジ
- 乾性油
- キッチンペーパー
推奨油は米油、アマニ油、紅花油、えごま油などの乾性油です。
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1.洗う
フライパン表面に付いた汚れ等を軟らかいスポンジを使ってきれいに洗い、しっかりと水分を拭き取ります。最初からついているコーティングを取り除く必要はありません。
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2.油を塗る
少量の油をフライパン全体にうすく塗り広げ、キッチンペーパーなどでしっかり拭き取ります。
余分な油が残っていると、仕上がりがまだら模様になることがありますので、よく拭き取ってください。
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3.加熱する
フライパン全体が黒くなるまで加熱します。全体が黒くなったところで火を止めていったん冷まします。
室内でシーズニングをする際は、しっかりと換気をしながら行いましょう。
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4.繰り返す
2〜3の工程を 3 回程度、フライパン全体が黒くツヤが出るまで行います。
取手部のシーズニングを行う際はフライパン本体を持ちながら取手部に熱を加えてください。
熱源
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【ガス】
ガスコンロなどでシーズニングを行う場合は、ガス火の熱がフライパン全体に行き渡るよう位置を変えながら行うとキレイに仕上がります。中火で様子を見ながら、火力調整を行ってください。
【IHクッキングヒーター】
熱が加わる底面が黒くなります。側面は調理を繰り返すことで次第にシーズニングが定着していきます。中火で様子を見ながら、火力調整を行ってください。
【オーブン】
250℃に予熱したオーブンで20~30分熱を加え、3回程度繰り返してください。
【焚き火】
直火だとスス等が付くため炭火などで行ってください。バーベキューコンロなどで炭を熾し、フライパンの大きさまで広げて熱がフライパン全体に加わるようにしてください。直接炭の上には置かず、網や五徳などで少し空間を設けて行います。
【薪ストーブ】
炉内の炎が消えて完全に熾きの状態になったら熾きを広げ、フライパンをクッキングスタンドなどに載せ20~30分熱を加えます。これを3回程度繰り返します。